中国語と中国語文化圏の魅力

ますます身近になる中国

21世紀の幕開けから10年余り、中国はGDPが2010年に日本を越え世界第2位となり、2013年には日本の約2倍の水準に達するなど、圧倒的な経済規模を持つ超大国へと成長しました。日本にとっては最大の貿易相手国でもあり、数多くの日本企業が中国に工場やオフィスを構えています。観光などによる民間人の往来も依然として活発ですし、日本で暮らす中国人の数もなお高い水準を維持しています(ちなみに筑波大学には平成25年度の時点で学群、大学院合わせて900人近い中国人留学生が在籍しています)。身の回りの製品を見れば、多くのものに「made in China」と記されていますし、都会で暮らしていれば電車の中、お店の中などで中国人を見かけない日はありません。私たちが想像する以上に、私たちと中国・中国人との距離は縮まってきているのです。中国語を学ぶ重要性はこれまで以上に高まってきていると言ってよいでしょう。

中国語ってどんな言語?

中国語は世界最大の話者人口を有する言語です。中国、台湾、シンガポールで公用語とされているほか、海外在住の華僑・華人の中にも日常的に中国語を使用している人たちが多くいますので、すべてあわせると母語話者の数は14億人にものぼると言われています。大変広い地域で使用されているだけあって、中国語は非常に複雑な方言、バリエーションを持つ言語なのですが、私たちが初修外国語の授業で学ぶのは、中華人民共和国で公用語として定められている「普通話」です。この「普通話」を話せるようになれば、少なくとも中国国内では、どこへいっても(多少の不便は伴いますが)コミュニケーションをとれるようになっています。

中国語は声調言語であり、1つ1つの音節に「声調」と呼ばれる高低アクセントが付いているのが特徴です。普通話の場合は、4種類の声調があり、同じ音節であっても声調の種類が異なるだけでまったく意味の異なる語になってしまうのです。中国語の発音は慣れるまでは難しいと感じられるかもしれませんが、根気よく練習すれば、誰でも必ず上手に発音できるようになります。

文字表記には漢字を使用します。この点で、高校卒業までに多くの漢字を学習する日本人は、欧米人などに比べて、中国語を学ぶ上ではるかに有利な条件を備えていると言えるでしょう。ただし、中国で使用される漢字は、簡略化された「簡体字」など(たとえば「漢字」の「漢」という字は“汉”となります)、日本と字体の異なるものが多いので、注意しなくてはなりません。中にはパッと見ただけでは分からないような細かな違いもあります。教科書を手に入れたら、まずは間違い探しを楽しむつもりで日本と中国の漢字の違いを観察してみるのも面白いでしょう。

文法の面では、中国語には英語などのような形態変化もありませんし、日本語のように動詞の後ろに複数の要素を次々と付け足していくこともありません。語順といくつかの前置詞、助詞、接辞を駆使して文を組み立てていくのが中国語の文法の特徴です。文の組み立て方は非常にシンプルですが、シンプルであるがゆえの奥深さ、面白さもあるものです。ぜひ授業の中で、中国語の面白さを体感してみてください。

中国語の世界

先にも述べたように中国語では文字表記に漢字を使用します。最近でこそ、“iPad(「アイパッド」と読む)”、“MP3(「エムピー・さん」と読む)”などのようにアルファベットを使って表記する単語も増えてきましたが、大部分の語は今もなお漢字のみで書き表されています。皆さんにとっておなじみの企業名、あるいは国名や人名も一般には漢字を使って表記されます。たとえば、“麦当劳(マクドナルド)”、“微软(マイクロソフト)”、“巴西(ブラジル)”といった具合です。普段馴れ親しんでいるものばかりなのに、漢字で書かれるとまったく別物のような印象を受けてしまうのではないでしょうか。皆さんももし実際に中国へ足を運ぶ機会があるようでしたら、ぜひ町中に掲げられている看板を眺めてみてください。きっとそれだけでいろいろと面白い発見があることでしょう。

中国語短期研修

「大学の授業だけでは物足りない!」という人のために、CEGLOC中国語セクションでは長期休暇を利用した海外短期研修プログラムを提供しています。これらのプログラムに参加し、試験に合格すれば、自由科目(特設)として2単位が認められます。

1.夏季中国語研修(8~9月ごろ)

湖南省長沙市にある湖南大学で研修を行います。

2.上海語学研修プログラム(3月ごろ)

上海市にある華東師範大学で研修を行います。

詳細は語学研修のページをご覧ください。